はじめに
「はぁ…今日もイラついた態度で対応しちゃった…」
介護を経験したことがある方なら一度はこんな反省したことあるのではないでしょうか。
私も常に反省しっぱなしです。笑
とくに認知症の方に対応するときです。たとえば、日中帯は穏やかに過ごしていたのにもかかわらず、夕方になったとたんに「家に帰りたい」と帰宅願望を訴え、しかも阻止しようとすると暴力をふるってくる場合です。
「私は家に帰りたいんだ~!」「〇〇さん、今日はもう夜遅いので明日にしませんか」「うるさい!このバカ!!(ついでにはたいてくる)」「〇〇さん!!(イラつきがら)」みたいな感じです。笑
このような対応を職員がすると、たまに「お前は認知症のことをよく理解していないからそういう対応をするんだ」と非難されます。
たしかに私自身、そこまで真剣に認知症の勉強をしたことがないのは事実です。しかし、認知症のことを知っているからといってそれが「優しい対応」につながるかどうかはわからないのではないかと思うのです。
というわけで今回は、認知症のことを知っていても、認知症の方に必ずしも優しく接することはできない理由を説明します。
たとえ認知症のことを知っていても、認知症の方に必ずしも優しく接することができない理由
職員のイラつきの多くは業務多忙のせい
第一に、介護職員が認知症の方に優しく対応できないのは業務が多忙なせいであることが多いからです。たとえば、先述のように帰宅願望をもつ利用者に対応しながら、他の利用者の排泄に対応したりしなければならないわけです。
これらの対応って考えればわかりますけど、体が最低でも2つないとできなんですよ。
「いや、他の職員がいるだろ」と反論するかたもいらっしゃるかもしれませんけど、その職員がいない場合が往々にしてあるんですよ。介護施設などでは。
こんな緊迫した状況下で認知症の方に優しく対応できるでしょうか?
物理的な攻撃に優しく対応はできない
第二に、物理的な攻撃に優しく対応することができないからです。
たとえば、職員はしばしば認知症の方に腕を全力ではたかれたり、爪を立てられて皮膚を傷つけられたりします。
そんな身体に危機が迫った状況で優しく接しろといえますか?
自分の大切な人が何も悪いことをしていないのに隣の人に突如殴られている様子を思い浮かべてみてください。あなたは憤りを感じませんか。その殴ったやつに。
おわりに
今回は認知症のことを知っていても、認知症の方に必ずしも優しく接することができない理由を説明しました。
その理由とは、
・職員のイラつきの多くは業務多忙のせい
・物理的な攻撃に「優しく」対応はできない
といったものでした。
たしかに介護業界の人材は玉石混交なので、まったく介護の勉強をしない方もいらっしゃいます。しかし、多くの職員は真摯に利用者に向き合い日々業務をこなしているのです。へとへとになりながらも。
そのような状況で認知症の方に優しく接しろとは、私は言えませんね。
あなたはどうですか。それでも優しく対応しろと言いますか、それとも…?
今回はこのあたりで終わりにします。それでは。
おススメの本
認知症のことがわかりやすく説明されています。専門的には勉強しなくていいけど、ちょっと詳しくなりたいという方におススメです。