むかしむかし、あるところに、赤ずきんちゃんという女の子がいました。赤ずきんちゃんは、お母さんに頼まれて、おばあちゃんにケーキとバターを届けるために、森の中を歩いていました。
赤ずきんちゃんは、道ばたで花を摘んだり、リスやウサギと遊んだりして、森の中を散策していました。
そんなとき、赤ずきんちゃんは、大きな狼に出会いました。狼は、赤ずきんちゃんに「おばあちゃんちにケーキとバターを持っていくんだね。おばあちゃんは、病気で寝ているんだよ」と言いました。
赤ずきんちゃんは、狼の言葉を信じてしまいました。
「おばあちゃんちに、お手伝いに行くから、一緒に行ってあげるね」と、狼は言いました。
赤ずきんちゃんは、狼と一緒におばあちゃんちに着きました。
家の中に入ると、狼は赤ずきんちゃんに「おばあちゃんは、寝ているから、そっとしておいてあげてね」と言いました。
赤ずきんちゃんは、おばあちゃんの部屋の前で、静かに座っていました。
しばらくすると、おばあちゃんの部屋から「お腹が空いた!」という声が聞こえてきました。
赤ずきんちゃんは、おばあちゃんが起きたのかと思って、ドアを開けました。
すると、そこには、赤ずきんちゃんよりずっと大きな狼がいました。
狼は、赤ずきんちゃんを見ると、大きな口を開けて食べようとしました。
赤ずきんちゃんは、狼の口から逃げるために、テーブルの下にもぐり込みました。
狼は、赤ずきんちゃんを探して、テーブルの下を覗きました。
赤ずきんちゃんは、狼の顔が見えないように、おばあちゃんの帽子をかぶって、テーブルの下に隠れました。
狼は、赤ずきんちゃんを見つけることができませんでした。
「もう、食べられないのか」と、狼は残念そうに言いました。
そのとき、突然、猟師がやって来ました。
猟師は、狼の姿を見て、猟銃を構えました。
「おい、狼!おばあちゃんを襲ったのか!」と、猟師は怒鳴りました。
狼は、猟師の姿を見て、怖くなって逃げ出しました。
猟師は、狼を追いかけて、森の中に消えていきました。
赤ずきんちゃんは、無事に助かりました。
おばあちゃんも、狼に食べられることなく、元気でした。
赤ずきんちゃんは、おばあちゃんに「もう、道草を食わずに、すぐにおばあちゃんちに帰ります」と、約束しました。
赤ずきんちゃんは、おばあちゃんにケーキとバターを渡して、お母さんの家に戻りました。
赤ずきんちゃんは、狼のおかげで、道草を食うのをやめ、お母さんの言葉をよく聞くようになりました。
しかし、赤ずきんちゃんは、森の中で見た狼の恐ろしい姿を、決して忘れることができませんでした。
夜になると、赤ずきんちゃんは、いつも悪夢にうなされました。
夢の中では、狼がまた現れて、自分を捕まえて食べようとします。
赤ずきんちゃんは、必死で逃げますが、狼はいつも追いついてきます。
そして、ついに狼の口の中に飲み込まれてしまうという悪夢です。
赤ずきんちゃんは、その悪夢から目が覚めると、いつも冷たい汗をかいて、震えていたのです。
赤ずきんちゃんは、もう二度と森には入らないと、心に誓いました。
しかし、赤ずきんちゃんは、どうしても森の中を思い出さずにはいられませんでした。
その森の中には、自分を捕まえて食べようとしている、恐ろしい狼がいるはずです。
赤ずきんちゃんは、いつかその狼と再会する日が来ることを、恐れていました。